カミサカエリアの魅力を考えてみた

はじめに

カミサカプロジェクトを始めるにあたって、このエリアにどのような魅力があるのか考えてみました。

地元商店街を活性化するといっても、もともとその地域にあるものをベースにするべきだと思うからです。それまでになかったものを組み込むことも良いと思いますが、それにしても何らかの関連性とかストーリー性がないとうまくいかないのではないかと思います。

私自身、もう20年近く東京富士大学に通勤しています。高田馬場駅からさかえ通りを抜けて職場に行き、時折大学周辺を散策したり、ご飯を食べたりお酒を飲んだりしてきました。ですから、それなりに行きつけのお店はあります。

ですが、正直に言うと、このエリアのことは特に好きでも嫌いでもありません。職場と近接していて便利で手頃と感じている程度でした。つまり良くも悪くもあまり意識をしていないのです。こうした感覚は、ここに通勤通学している人やこの地域に住んでいる人(生まれ育った人と数年住んだだけの人は違うものがあると思いますが)もおそらく同じではないでしょうか。

ざっくりと言ってしまえば、多くの人にとってカミサカエリアは、特筆すべきところもあまりない、どこにでもあるような街という認識だろうと思います。確かに、取り立てて観光資源や目立った人気スポットがあるわけではありません。

学生たちに聞いても、「ここには何もない」という声をたびたび聞きますし、地元の人も「ここはどこにでもある普通の街だよ」と口にするを聞きます。

それどころか、ネガティブな指摘の方が多いくらいです。だいたい地元のことは悪いところばかりが目についてしまうものです。人間も同じで、自分の悪いところばかりが気になってしまうものです。

地元だからこそ、普段は気にしていない良いところ、素敵なポイントを見逃しているのではないかと思います。

そこでカミサカエリアを歩き回り、このエリアの魅力を再認識してみることから始めました。

街の雰囲気

まず街の雰囲気です。

カミサカエリアは早稲田通りと新目白通りに挟まれています。大きな通りから一歩足を踏み入れると、新宿区で、しかも山手線の駅から数分の所とはとても思えないのんびりした場所です。土日などは人通りが少なく、本当にのどかな雰囲気です。道は狭いのですが、その分、車の通りが少ないのも良いところです。

ただ、平日の朝夕は狭い道を多くの学生や通勤の人が激しく行き交います。とくにさかえ通りの朝夕はなかなかの喧騒振りですし、夜は飲食店が多いために少々猥雑な雰囲気も漂います。

その意味では、カミサカエリアといっても曜日や時間帯によって色々な顔を持っていると言えます。

ところで、カミサカで私が特に好きなのは夕方の時間帯です。西の方向の空は、神田川があるせいか開けていて、空が広く感じられます。そこを夕陽が染めます。それから徐々に暮れていくのですが、カミサカエリアがとても美しく感じられる時間帯です。

この写真は東京富士大学の渡り廊下から写したものですが、日々異なる色彩を楽しむのも良いものです。

カミサカエリアの景観として大きな要素となっているのは、東西に横切る神田川でしょう。

夕焼けに染まる西側からスカイツリーを臨む東に向かって流れている神田川。春には宮田橋公園と東京富士大学の桜が両岸を鮮やかに飾ります。さらに上流から無数の花びらが流れて来て、川面をピンクに彩ります。

普段はほとんど意識されることなく流れている川ですが、この神田川がなかったらこのエリアは随分と味気ないものになっていたのではないかと思います。

神田川についていずれ何か書いて見たいと思います。

さかえ通り商店街

カミサカエリアには二つの商店街があります。「さかえ通り商店街」と「宮田商店街」です。

さかえ通り商店街は高田馬場駅の目の前から入って、200mほどの小さな商店街です。途中に何本かの細い路地に枝分かれしていて、その路地にも多くの店舗があります。

この写真は高田馬場駅側のさかえ通り入り口。最近このアーケードが付け替えられました。「東京富士大学入口」とあるように、この通りがほとんどそのまま大学に繋がっています。

この商店街の特徴はやはりほとんどが飲食店だということです。飲食店以外では、コンビニや携帯ショップ、整骨院などもありますが、基本的に飲んだり食べたりするお店がメインと言って差し支えないでしょう。

飲食以外のお店は早稲田通りや駅周辺にたくさんあるので、飲食に特化していても問題ないわけです。

先に書いたとおり、ここはとにかく平日の朝夕の人通りがすごいのです。個人的にはあまり好きではありませんが、賑わっている雰囲気は悪いことではないと思います。

店舗の並びを経年で見ていると、長く続いているお店が多いのですが、しょっちゅう変わる店舗もけっこうあります。人通りが多いからといってうまくいく場所ではないということですね。

お店が長く続く所と、しょっちゅう変わる所には何か法則があるような気がしています。そんなこともいずれ研究してみてはどうかと考えています。

宮田商店街

宮田商店街はさかえ通りからさらに奥に入ったところにある、とてもこじんまりとした商店街です。早稲田通りと東京富士大学の間の通りという位置関係にあります。正式には「戸三小通り」という通り沿いの一部です。

以前はここに多くの店舗があり、賑わっていたそうですが、近年は店舗の数も減ってしまいました。最近、この通りの先に日本語学校ができたこともあり、朝夕は外国人留学生が大勢行き来します。

この通りも基本的には飲食店が中心です。飲食以外にはクリーニング店やヘアサロン、そして銭湯などもあります。

時折、お店が入れ替わりますが、お店になるよりもマンションなどの住居に変わる方が最近は多い気がします。全体的に見て、店主の方も高齢化している様子で、今後どうしていくか検討が必要な商店街だと思います。

商店街の衰退というのは必ずしも地方だけの問題でなく、都内でもあるという一例だと思います。

両商店街の共通点

両商店街の共通点がいくつかあります。まずは先に書いたように飲食店が中心であることです。この地域の食堂の役割を果たしていると言えます。そして、その内容としては、焼き鳥、ラーメン、焼肉、居酒屋、スナックなどの、どちらかと言うと庶民的なものが多いのが特徴です。

また、外国籍料理のお店が多いということもポイントです。周辺に日本語学校が多く、外国人留学生が多いこともありますが、この地域は人種的な実に多様です。

特にアジア系のお店が多いのです。韓国料理、中国料理、インド料理、ミャンマー料理などなど、この狭いエリアにこれほど多くの外国籍料理が点在しているのはかなり面白いのではないかと思います。ちなみにミャンマーということでいうと、高田馬場はリトルヤンゴンと呼ばれているほどミャンマーの方が多いそうです。

ですから、積極的に関わりあいを持っていけば、様々な文化に触れることのできるエリアと言えるかもしれません。

それから、もう一つ特徴的な点があります。両商店街は大通りから入った路地に多くの小さなお店が点在していて、隠れ家的な雰囲気を楽しめることです。

大通りはとかく大手のチェーン店が多くなるものですが、多様な個人店があることは商店街の魅力の一つだろうと思います。

実際、カミサカエリアには狭い通りのあちこちに美味しいお店が点在しています。騒がしい雑踏から離れ、小さなお店でゆったり楽しむことができる大人の空間が数多くあります。

そういう都会の中での「路地巡りの楽しみ」ができるのもカミサカエリアの魅力だと思います。

学生の街 高田馬場

しばしば高田馬場は「学生の街」と呼ばれます。たしかに朝夕の高田馬場駅は学生でごったがえします。

高田馬場の大学と言えば、早稲田大学がもっとも有名ですが、ここではカミサカエリアについて見てみましょう。

大学では東京富士大学だけですが、他に専門学校や日本語学校が数多くあります。少し挙げておくと、日本学国語専門学校、イーエスピー学園ESPエンターテイメント東京、東京アニメーションカレッジ専門学校、東京美容専門学校、千駄ヶ谷日本語学校などです。

学生が多いということは、つまり、若い人が多いということです。学生のほとんどは卒業すればいなくなってしまうわけですが、それでも入れ代わって常に若い人が多くいるということは、街にとって魅力だと思います。若い人が少ない地方の街からすれば、ものすごく羨ましいことだと思います。

若い人が多いことは、若い人々の文化が生まれることにもつながります。高田馬場はまさにそういう場所で、カミサカエリアも同様です。

このエリアには楽器を持ったバンドマンを多く見かけます。ちかくに音楽の専門学校があったり、ビジュアル系で有名なライブハウスがあったりするからでしょう。

それから時々、東京富士大学のキャンパスを使ってコスプレイベントが行われることもあります。

ちなみに高田馬場は駅に手塚治虫先生の壁画があり、駅のホームではアトムのメロディが流れるという、鉄腕アトムの街でもあります。近くには「手塚プロダクション」があります。いまや手塚漫画のファンは決して若い世代ではなくなっていますが、この界隈は昔から新しいものが生まれるところだったのかもしれません。

若い人が多い地域というのは、新しいものが生まれ、発展していくエネルギーに満ちていると言っていいと思います。そういったものを育むエリアになっていくことに力を入れてもいいのではないかと思います。

卓球の街 カミサカ

カミサカプロジェクトで街を歩いていて初めて気が付いたのですが、このエリアにはなぜか多くの卓球関係のお店や施設があります。

この小さなエリア内に、老舗の卓球場である「山手卓球」があり、3つの卓球教室があり、卓球酒場ぽん蔵というお店があったりします。さらに大学卓球会の強豪である東京富士大学卓球部の練習場もあります。

ちょっと不思議なほどに「卓球」が集中しているのです。そこで勝手に「卓球の街カミサカ」と呼ぶことにしました。

高田馬場駅の向こうには老舗の卓球専門店「国際卓球」がありますし、早稲田大学も卓球の強豪校です。この地域と卓球の関わりは何かありそうですので、そのうち調べてみたいものです。

とりあえずのまとめ

ここまで思いつくところをざっと書いてみました。

どこにでもあるように思える街が、実はけっこう魅力的で面白い街に思えてくるのではないでしょうか。

個人的な見解も多く、また見逃しているところがまだまだあると思いますが、今回はとりあえずということでここまでにしておきます。

2017年8月 藤森

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